終活支援協議会むすびと 代表インタビュー
「終活を、ひとりにしない。」

■ 現場から自然と生まれた「むすびと」のかたち
――むすびとは、どのような経緯で生まれた団体なのですか?
むすびと代表(以降稲葉):
もともとは僕自身、墓じまいの専門家として、お寺さんや高齢のお客様と直接じっくりお話しする機会が多くありました。その中で「お墓のこと」だけでなく、終活全体に関するご相談を受けるようになってきたんです。
例えば、相続、遺品整理、保険、仏事、不動産…本当に幅広くて、「どこに相談したらいいのか分からない」「信頼できる人に頼みたい」という声をたくさん聞きました。
そんなとき、僕が知っている信頼できる専門家を紹介していたんですが、ある時、お寺の住職さんやお客様から「あなたがそういう専門家を集めて、相談できる窓口を作ってくれないか」と頼まれたのがきっかけでした。
それが、「むすびと」のはじまりです。

■ 一人じゃできないからこそ、“チーム”でやる意味がある
――最初は不安もあったのではないでしょうか?
稲葉:
墓じまいに関しては専門家としての自信がありましたが、終活全体となると、自分ひとりでは到底網羅しきれない領域です。それでも、困っている高齢の方々を支えたいという思いから、仲間とともに少しずつ形にしていきました。
一緒に立ち上げた理事の濱口や井坂とは、今も明確に役割を分担しています。僕は方向性の決定や、寺院・企業との連携、営業、企画などを担当し、濱口は会員とのやり取りや事務全般をこなす超敏腕マネージャー。井坂は司法書士として、法律面の監修・助言をしてくれる信頼できる顧問的存在です。
何より大きいのは、相談できる仲間がいることで、気持ちの重荷が軽くなること。自分一人では出なかったアイデアも、仲間がいれば生まれる。今はもう、本当に感謝しかないですね。

■ 名前に込めた想い。「むすびと」は、想いと安心を“結ぶ”存在
――「むすびと」という名前には、どんな想いが込められているのですか?
稲葉:
「むすびと」は、“結ぶ”と“ひと”を組み合わせた造語です。人と人を結ぶ。想いを結ぶ。安心を結ぶ。そういう団体になりたいという願いを込めました。
終活に関する不安は本当に多岐にわたります。その中で、困っているご本人、ご家族、そしてそれを支える専門家たちをつなぐプラットフォームになることが、むすびとの役割だと思っています。
そして、むすびとは終活に関するさまざまな分野の専門家が在籍しているプロフェッショナル集団でもあります。
相続や遺言、保険や仏事、不動産や介護、墓じまいなど、多岐にわたる分野において経験豊富な専門家が揃っています。
中には一見すると終活と関係が薄そうに見える職種もありますが、実際には「あとから非常に重要になること」も少なくありません。
むすびとは、そういった“まだ知られていないけど大切な支援”もカバーできる体制を整えています。
――むすびとの活動って、やっぱり人と人の信頼がベースなんですね。
稲葉:
そうですね。でも、それと同じくらい大切にしているのが「専門性」です。
むすびとは、終活に関わるあらゆる分野のプロフェッショナルが集まっている専門家集団でもあるんです。
それぞれの会員がそれぞれの現場で、長年経験を積んできた信頼できる人たちばかり。
だからこそ、「終活のことは全部むすびとに任せれば大丈夫」って思ってもらえるように、日々連携しています。
――まさに、終活の“ワンストップ窓口”という感じですね。
稲葉:
はい。相談する人にとって「これは誰に聞けばいいの?」っていう迷いが一番つらいんですよね。
でも、むすびとに相談してもらえれば、そこから先は僕たちが専門家同士で連携してサポートしていきます。
だから、終活について悩んだときは、「まずむすびとに聞いてみよう」でいいと思っています。

■ 「一人じゃない」と思ってもらえるように
――これから関わるかもしれない方々に、どんなメッセージを届けたいですか?
稲葉:
これまで関わってきたお客様の中には、終活の悩みを一人で抱えて疲れ切っていた方も少なくありません。
でも、そういう方たちがよく言ってくださるのは、「話せてよかった」「解決できてホッとした」と涙してくださる言葉です。
終活は、「誰に何を相談すればいいか分からない」ことが多いです。でも、むすびとなら、あなたの負担を必ず少しでも軽くできると信じています。
どうか一人で悩まないで、まずは相談してください。
また、終活に関わる専門家の方へもお伝えしたいです。同じように困っているお客様に向き合っているなら、むすびとのような場で横のつながりを持つことで、もっと役に立てる場面が増えると思います。
むすびとには、そういう志を持った専門家がたくさん集まっています。きっとあなたにも、お客様にも、プラスになる“ご縁”があるはずです。一緒にやれたら、うれしいですね。

■一般の方向け 実務的なご案内
――なるほど…。終活で悩んでいる方にとって、まさに“よりどころ”のような存在ですね。
具体的には、むすびとではどんな相談を受けていて、どう対応しているんですか?
稲葉:
そうですね、実際に多いのは「お墓じまいをどうすればいいか」「相続の準備が不安」「親の介護施設のことが心配」といったご相談です。
相談内容は本当にさまざまで、最初は何を聞けばいいのかすら分からない、という方も少なくありません。
――そういう場合、むすびとではどう対応しているんでしょうか?
稲葉:
まずは、電話やLINE、メールなど、相談しやすい方法で気軽にご連絡いただくところから始まります。
内容をお聞きしたうえで、信頼できる専門家につなげていくのが僕たちの役目です。
もちろん、その場で解決できることがあれば、直接アドバイスすることもあります。
――費用のことを気にされる方もいらっしゃるのでは?
稲葉:
はい、だからこそ最初のご相談は無料でお受けしています。
専門家をご紹介した後に費用が発生する場合は、事前にしっかり説明していますし、無理な営業は一切しません。
――なるほど、安心して相談できそうですね。
稲葉:
はい、現在は三重県を中心に活動していますが、地元密着型の良さを活かして、
顔の見えるサポート、地域事情を踏まえた対応ができるのがむすびとの強みだと思っています。

■会員希望の方への実務的案内
――では、むすびとの活動に興味を持った専門家の方が「自分も参加したい」と思った場合、どうすればよいのでしょうか?
稲葉:
むすびとは、終活に関わる専門家の方を対象にした会員制度を設けています。
まずは、どういったお仕事をされているかをお伺いして、活動の方向性などを共有させていただいています。
――会員になると、どんな活動や機会があるのでしょうか?
稲葉:
毎月Zoomで定例会を行っていて、会員同士の情報共有や案件の紹介などが行われています。
また、セミナー登壇の機会や、希望者にはメディア協力の話もあります。
もちろん、自分の専門性を活かして新たなお客様とつながるきっかけにもなります。
――三重県だけの活動ということで、広がりにくいという印象を持つ方もいるかもしれませんが…
稲葉:
むしろ逆です。地元密着型のネットワークだからこそ、小回りがきき、顔の見える関係が築ける。
これは全国的な大組織にはなかなかない良さだと思っています。
地元でしっかり信頼される活動をしたいという方には、むすびとはきっと合うと思います。

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